”パンケーキ・デー”とは?イギリスのパンケーキや習慣、レシピを紹介【ロンドンの子育て】

世界の子育て

2019年3月12日 text by:はるこ

”パンケーキ・デー”とは?イギリスのパンケーキや習慣、レシピを紹介【ロンドンの子育て】

みなさんは、”パンケーキ・デー”をご存じですか?イギリスでは春が近づくと、スーパーマーケットなどにパンケーキの材料特設コーナーが出始めます。カフェやレストランでもパンケーキメニューが特集され、その日はみんな、パンケーキを食べるのです!世界の子育てシリーズ、今回はロンドン在住のはるこが、”パンケーキ・デー”の習わしやイベント、イギリスのパンケーキやそのレシピを紹介します。

パンケーキ・デー の意味は?

キリスト信者が復活祭(イースター)の前に行う40日の断食期間(四旬節と呼ぶ・日曜日は除く)に入る前日に、残っている卵や牛乳などを消費する、あるいは栄養摂取のために、パンケーキを作ったのが始まりと言われています。

現在は断食の習慣は薄れたものの、四旬節が始まる前の告解の火曜日(Shrove Tuesday)にパンケーキを食べる習慣が残っています。
この日は復活祭(イースター)に連動するので、日にちが毎年違います。2019年のパンケーキ・デーは3月5日(火)でした。

幼稚園や学校でもパンケーキを焼いて食べる

この日は幼稚園や学校でも、先生や生徒達がパンケーキを焼いたり、食べたりします。

イギリスの伝統的なパンケーキは、日本のホットケーキというよりもクレープに近い感じです。薄く焼いた生地を折り畳んだり丸めたものに、レモンを絞り、シュガーをかけて食します。

シンプルでとても美味しいですが、子供達にはヌテラというチョコレートクリーム(正確にはヘーゼルナッツとココア)を塗って食べるのが人気です。

各地で”パンケーキ・レース”が開催される

”パンケーキ・レース”は15世紀から続く英国の風習で、フライパンに入ったパンケーキを持ったまま徒競走をします。フライパンの中のパンケーキは、途中でひっくり返す決まりになっています。

その昔、イングランドのオルニーに住むある主婦が、断食の前日である告解の火曜日(Shrove Tuesday)に、パンケーキを焼いていて、うっかり礼拝(当日は教会で懺悔をする)に遅れそうになった。慌てて、エプロン姿でフライパンを持ったまま、教会に駆け込んだのがレースのきっかけになったのだそう。

ロンドンでもビックベン/国会議事堂の横の広場で議員たちによるレース、ギルドホール(市庁舎)で業者組合によるレース、バラ・マーケットのレースなど各地で開催されます。ギルドホールを覗いてみると、業界を模したコスプレにエプロン姿の大人たちがフライパンを片手に真剣に走っています!

隣ではイギリス風パンケーキを焼いており、2ポンド(300円程度)で食べられました。発祥の地オルニーでは、子供の部もありますよ。この日は観光客がたくさん訪れるそうです。

ロンドンの最新パンケーキは?

パンケーキは、ロンドンのブレックファーストやブランチで定番のメニューです。英国風パンケーキ以外にも、本当に色々なパンケーキがあるんですよ。

トッピングはイギリスの種類豊富なクリームやチーズ、ヨーグルトがのったものが多いです。生のブルーベリーなどのベリー類やコンポートを添えたものもよく見かけます。

斬新なものでは、赤いベルベットパンケーキ(ココア味)やレインボーパンケーキ。塩系では、スモークサーモンやアボガド、ベーコン、コーン、ハーブなど。また、グルテンフリー(小麦不使用)では、そば粉やキヌア粉を使ったもの。ヴィーガン(卵・乳不使用)では、ココナツやアーモンドミルクを使用したパンケーキもあります。

パンケーキ・デーは、特別パンケーキを提供するカフェも。また、ステーキハウスなどレストランやバーでもパンケーキが特別メニューに登場し、人気店では行列ができていました。

パンケーキミックスやレシピの種類も豊富

スーパーマーケットにも色々なパンケーキミックスが売られています。
一番メジャーなタイプはボトルタイプになっていて、水を入れて振るだけ。ボールもいらないのでとても簡単に作れます。甘さも控えめで食べやすいです。

アレルギーに対応したタイプも豊富。グルテンフリー(小麦不使用)はもちろん、ヴィーガン(卵・不使用)も!ただ、とても甘さが強いので、子供向けではないようです。
他には、スーパーフードが入っているヘルシーな商品もあります。

イギリスは製菓材料が比較的どこでも手に入ります。子供が喜ぶパンケーキを作るときは、カラーゲル(食紅のようなもの)を入れます。簡単に、レイボーパンケーキの出来上がり!

もう一つ、便利なのがスプレー入の生クリーム。子供が自分でデコレーションするのも楽しいですよ。

レシピサイトでは、パンケーキ・デーの特集もあり、大手レシピサイトで65個のパンケーキレシピが掲載されていました。
日本では見かけないレシピもたくさんありますよ。

BBC goodfood (英国公共放送のBBCによるレシピサイト)
https://www.bbcgoodfood.com/feature/pancake-day

伝統的なイギリスのパンケーキレシピ

作り方はとっても簡単。計量から焼き時間を合わせても30分以内に完成します。生地に砂糖が入らないので、甘さも調節できて子供にぴったり!
バターの風味が決め手なので、よいバターを使うと一層美味しく仕上がりますよ。

<材料:2人分>
・小麦粉 55g
・塩ひとつまみ
・卵1個
・牛乳100mlと水35mlを混ぜたもの
・バター25g(湯煎でとかす)

トッピング用
・グラニュー糖
・レモン汁
・絞る用の切ったレモン

1. 小麦粉と塩をボウルに入れて空気が入るように混ぜる。
ボウルの真ん中にくぼみを作り、卵をいれ、粉で覆うように軽く混ぜる。

2. 1に牛乳と水を混ぜた物を少しずつ加え、泡立て器でまぜる。
すべて混ぜ終えたら、ゴムヘラでボールについた小麦粉をすり落とす。もう一度泡立て器に持ち替えて、薄いクリームのように滑らかになるまでまぜる。さらに、溶かしバター大さじ1杯を入れて混ぜる。残りは焼く時用にとっておく。

3. フライパンを温め、中火にする。溶かしバターをひき、大さじ2杯くらい液を入れる(18cmのフライパンの場合。液の量はクレープような厚さになるように)30秒ほどでひっくり返し、反対側も焼く。

4. 焼けたパンケーキは湯煎した皿などに重ねて冷めないようにしておく。

5. 仕上げは、砂糖とレモン汁をふりかけて半分に折り、さらにもう半分に折りたたむ。 砂糖やカットレモンを添えて、お好みで足して召し上がれ!

伝統的なレモン&シュガーのほか、チョコクリームやジャム、生クリームなど好きなトッピングをして楽しんでくださいね!

ライター はるこ

ロンドン在住2児の母。夫の転勤で渡英し、3才男の子を現地の幼稚園へ通わせながら、1才女の子を育児中。
UZUZU[ウズウズ]で、ロンドンの子育て情報を取材・レポートしています。

ライター はるこ

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