【世界の子育て】ロンドンのモンテッソーリ幼稚園をレポート

子育て

2019年1月17日 text by:はるこ

【世界の子育て】ロンドンのモンテッソーリ幼稚園をレポート

「世界の子育て」シリーズ。今回は、幼児教育にも多様な選択肢があるロンドンで、モンテッソーリ幼稚園に男児を通わせているライターはるこが、現地の教育レポートをお届けします。日本でも、藤井聡太七段が「モンテッソーリ教育」の幼稚園でその集中力を養ったと話題になりました。モンテッソーリ教育とは?本場ヨーロッパ、ロンドン幼稚園での教具などもご紹介します。

選択肢も豊富!早期教育が盛んなロンドンの幼児教育

早期教育が盛んなロンドン。満5歳から義務教育(小学校)が始まり、満4歳ではレセプション(小学校準備クラス)に通い始めます。それまでの幼児教育においても実に様々な選択肢があります。
私の息子は2歳代はプレイグループという短時間保育に通い、3歳になった時にナーサリー(幼稚園/保育園)の見学を始めました。朝・昼2食付きの長時間保育、サッカーやアートなど時間割がある、公園に隣接し外遊びが多いなど様々なタイプがありました。
多くのナーサリーでは、カリキュラムは充実しているものの、日本の幼稚園に比べると子供に対しての細かいケアが少ないようでした。

最後に見たのが”モンテッソーリ”の幼稚園。初めて園を訪れた時、整然とした雰囲気に本当に驚きました!整理整頓された教室には、子供用の机が並び、花まで活けてあったのです。どうしてこんなに綺麗で静かなのか?棚にある木製の器具は何?他の園とはまるで違うのです。先生から息子の性格や能力対する質問をされ、子供の内面をしっかり見てくれる園だと感じました。そして、説明を受ける間に息子は木製の立体パズルに夢中でした。

そうして”モンテッソーリ”の幼稚園に決めたのですが、そのユニークな教育方法について紹介したいと思います。

モンテッソーリ教育とは?

モンテッソーリの幼稚園は、2 歳半から6歳代までの子供が同じ教室で過ごす縦割りクラスです。人数は規模により異なりますが、10~30人ほどが同室の教室で過ごします。先生は子供8人につき1人以上となっています。

特徴的なのは、プラスチック製のおもちゃはなく、独自の教具(英国ではマテリアルと呼ぶ)を使うことです。また、”自立”が非常に重視されていて何でも子供が自分で行います。

日本でも注目されてきた教育方法で、最近では天才将棋棋士の藤井聡太七段が「モンテッソーリ教育」を取り入れた日本の幼稚園出身で集中力を養った、と話題にもなりました。

子供が自分でやる

この園では何でも先生が用意するのではなく、子供たちが自分で行うスタイルです。
例えば、ランチはテーブルにお皿やフォークを並べて用意から始めます。おやつは自由にフルーツのカゴから取り、自分でナイフで切って食べます。窓拭きやお掃除もします。教具は使い終えるとすぐ棚に戻す。私が当初に感じた、整然とした雰囲気は子供自身が教室を綺麗に保っているからでした。
5才の女の子は花瓶を倒してしまった時、自分で掃除道具を持ってきてこぼした水を拭いていました。先生は何でも自分自身でやるよう指導しているのです。

集中力が身につく

子供達は1日の大半の時間、”お仕事(英国ではワーク)”と呼ばれる知育遊びを行います。時間割はあまりなく、各人が好きな教具を選んで、基本的には一人で取り組みます。
教具は、「日常の動作」「感覚」「数学」「文化」「言語」など様々な種類があります。先生は子供の様子を観察していて、少しの手助けをするだけ。ですが、その子のレベル管理をしており、正確にできないと次の段階の教具を与えません。繰り返し作業させることで集中力がつくのだそうです。
色水をビーカーに移したり、細かいビーズを並べるような指先を使う”お仕事”があり、これは単純な動作ですが、集中力を身につけるのに重要で脳の発達を助けるそうです。ある3歳の男の子は 『世界地図パズル』のヨーロッパ大陸を1時間もかけて取り組んでいました。すごい集中力ですよね。

数学脳を育む

数や図形など数学的な教育玩具が多く用意されています。例えば、1、10、100、1000の単位でできたビーズで1251などの4桁の数字を作って数の概念を学びます。
他には、長さで数字を表す積み木で足し算を視覚的に行うなど。3歳の男の子は複数のサイズの立方体・直方体でできた難易度の高いパズルを解いていました。最初は先生が手本を示しますが、自分で繰り返し解くと、辺の長さが合うように置くと完成できると理解したようでした。その子の次の目標は「数のグループわけによる奇数と偶数の概念」でした。
数学の教具は高度なレベルまであり、感覚的に学ぶことが基礎力になるのだそうです。

文化教育が盛ん

教具には世界地図や惑星など、文化や生命に関するものも用意されています。実体験も大切にされていて、庭では野菜やハーブを育て子供達がお世話をします。
また、多国籍なこの園では、英国以外の国の主要なお祝いもします。保護者が自国の文化などについて紹介する日もあり、ヨーロッパ諸国のほか、南米、日本など各国の遊びやダンスをし、食べ物を試食する機会があるのです。

気になる費用は?

年間の費用は、週5日(29時間)で約193万円。英国では3~4歳児に政府補助金が出るため、認定園の場合は差し引いて約88万円(我が家の子供が通う園の場合)。費用は園や時間によって非常に異なりますが、ロンドンの幼稚園・保育園の費用は高額と言われています。曜日や時間帯が選択できるので、週5日・午前のみ、週3日・フルタイムなど様々な登園スタイルがあります。お迎えに父親が来ることは一般的で、祖父母やシッターの場合も珍しくありません。クラスメイトの親同士でお迎えを交代で行い、空いた時間で仕事をしている母親もいます。皆、フレキシブルに育児をしていて、育児・家事サービスの利用も一般的です。

まとめ

モンテッソーリ教育は、教具を使った”お仕事”の時間が多いですが、もちろん園庭で遊んだり、歌、絵本、工作、料理などの活動もあります。老人ホームや農園を訪れたり、パーティがあったりと他者との触れ合いも大切にされています。

3歳の息子は様々な年齢の子供達が一緒にいる環境で、年下の子供を気遣うような発言も増えました。先生は多くを手助けしないので、何かあったときには子供同士で問題解決することも多いようです。

学期ごとの保護者面談では「自分でナイフを持ってきてフルーツをカットして食べています」などのコメントがあり、息子は通い初めに比べて自発的に行動するようになったと感じます。また、数に興味を持ち、足し算・引き算ができるようになりました。


いかがでしたか?独自の教育方法と子供の内面を見る”モンテッソーリ教育”。日本にもモンテッソーリ教育を取り入れた幼稚園はあるので、興味を持った方はぜひ見学してみることをおすすめします。

ライター はるこ

ロンドン在住2児の母。夫の転勤で渡英し、3才男の子を現地の幼稚園へ通わせながら、1才女の子を育児中。
UZUZU[ウズウズ]で、ロンドンの子育て情報を取材・レポートしています。

ライター はるこ

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