2019年8月14日 text by:はるこ
こどもの夏の過ごし方 イギリス流の子供同士の遊び方”プレイ・デート”とは?【ロンドン子育て】
ロンドのンの夏休みは7月の中旬から9月の上旬頃までと、日本よりもやや長め。家族でバカンスへ行ったり、母国へ帰る人も多いですが、ロンドンにとどまる人や共働きの人にとって、2ヶ月近い休みをどう過ごすかは、親にとって悩みのタネでもあります。
ロンドンで子育て中のライターはるこが、子供達が夏に何をして遊ぶかレポートします!イギリス流の子供同士の遊び方、”プレイ・デート”とは?
子供同士で遊ばせる”プレイ・デート”とは?
イギリスでは、小学校高学年になるまでは子供が一人で外を歩くことが禁じられています。ですから、学校やお友達の家に行く時も保護者が送り迎えをします。お友達同士で遊ぶ時は、親同士が子供を遊ばせる日時と場所を決めて、そこへ連れて行くのです!これを”プレイ・デート”と呼びます。
普段は学校が終わった放課後にしますが、夏休みも例外ではありません。兄弟姉妹も参加して人数が多くなりがちです。お友達の家でプレイ・デートすると、総勢20人を超えていることも!
イギリスは広い家が多いので、大人数でも収まりますが、日本の感覚で家選びをした我が家にはとてもリビングに入りきれません。マンションの共用庭で遊び、シートを引いておやつを食べたりしています。
小学生以上になると、友人宅に子供を預けて帰りに迎えにいくか、相手が家まで送ってくれるようになります。もちろん、友人の子供を預かることも。
場所は公園や家が多いですね。時間がある時などは映画や博物館などに行くこともあります。テラスでBBQをしてくれたり、夕飯を出してくれる家庭もありますよ
お祭りのような、サマーフェア
学期末の7月には学校が主催するサマーフェアと呼ばれる夏祭りのようなフェアが学校で開催されます。また、公園では移動遊園地がやってくるサマーフェアもあります。
コーヒーカップや巨大なトランポリンが並び、1回3ポンド(約540円)程度で遊べて子供達は大喜び。屋台には、多国籍フードやカップケーキやクッキーなどの焼き菓子などが並んでいます。
他には、チャリティーショップがあったり、顔に動物などのペイントをするフェイスペインティングはフェアの定番です。
夏の風物詩、パッティング・プールと人工ビーチ
ロンドンの夏は短く、晴れてもすぐ雨に変わったりします。30度を超える日は少ないですが、太陽が出ると皆喜んでプールへでかけます。
プールといっても大きな屋外プール(Lido:ライドと呼ぶ)は数が少なく、幼児や小学生が入るのは、”パッティング・プール”と呼ばれる水深が膝下のプールが多いです。
楽しくはしゃぐ子供達ですが、水温も低いので、帰る頃には寒いと震えていることもしばしば。
ロンドンの北部にある公園、ハムステッド・ヒースには、屋外プールとパッティング・プールがあり、無料で入れます。大人・高学年用ですが、水泳用の池もあるんですよ。
他には、特設の人工ビーチが街に設置されて、幼児から小学校低学年に人気があります。我が家ではコミュニティセンターJW3のHampstead Beachによく行っています。
また、街や美術館などの施設の噴水で水遊びをする子供がたくさんいます。日本でも見かける光景ですが、夏が短いロンドンでは多少の雨や肌寒い気温でも遊んでいます。
参考:Hampstead Beach
サマーキャンプが豊富。サッカーやテニス、語学学習も
サマーキャンプも人気があります。ジャンルは様々で、サッカーやテニスなどのスポーツ、アート、アウトドア、学習など。3歳以上は預け型となり、半日や1日など時間も長め。途中におやつや食事もさせてもらえます。我が家では、テニスのサマースクールを毎年利用しています。
日本人など英語圏以外の出身者は、英国前田学園など日本人学校が主催するサマースクールに通い、普段触れる時間の少ない自国について学ぶ機会を作る人もいます。日本人と他国のハーフの子供の日本語習得としても使われています。
夏休みの期間で英語を忘れないように、語学学校のサマースクール に通う人もいます。渡英したばかりの小学生が参加したSKOLAという語学学校では、午前中は英語講座、午後はアクティビティという時間割。
スポーツは国立公園のリージェンツ・パークで行い、週に1〜2日は課外授業としてミュージアムや歴史的建築などへ行くなど勉強以外も充実した内容でした。
在英よりも海外からの参加者が多く、色々な国の学生がいます。日本から短期集中で英語を習得する目的で参加する方はあまりいないようですが、国際交流や海外での経験としては素晴らしい機会になると思います。
参考:英国前田学園
子供向けミュージカルや観劇、コンサート
劇場やミュージアムなどでは子供向けの特別プログラムが用意されます。私も美術館で開催されたベビー・幼児向けのクラシックコンサートBach to Baby Family Concertに2歳の娘と参加しました。
プロのピアニストによるレベルの高い演奏でありながら、「子供が騒いだらどうしよう…」と不安に思う雰囲気ではなく、子供が泣いても席を立つ人もいません。赤ちゃんがピアノの下をハイハイしていたり、子供がおやつを食べていたりと、リラックスした雰囲気で音楽に親しめるのです。
参考:ベビーコンサート burghhouse consert baby
ロンドンのミュージカルや劇場の子供料金が無料(2人目半額)になる、「キッズ・ウィーク」もとても人気のイベントです。「ダイナソー」「はらぺこあおむし」「マンマ・ミーア」など、たくさんの演目から選んでチケットをとります。私達が選んだのは、「ピーターラビット」。
ロンドンの劇場街の中にある有名なシアター・ロイヤル・ヘイマーケットに、2歳と4歳の子供を連れて行くと、歴史が感じられる豪奢な建物に子供がたくさん!
ピーターラビットのお話を踊りと歌、人形を使って見事に再現していて、いつもはすぐ飽きてしまう子供達もとても楽しめました。また、提携するレストランでキッズメニューが無料になるなど、街を挙げてのイベントになっています。
その他にも、公園の野外シアターで劇や映画などが上映されます。リージェンツパークの「ピーターパン」などが有名です。
参考:Theatre Royal Haymarket シアター・ロイヤル・ヘイマーケット
参考:Regent’s Park Open Air Theatre
おわりに
ロンドンの夏休みは、とても爽やかな気候で、水遊びや外で長く遊べる一年の中で限られたシーズンです。9月からは新学期。基本的には夏休みの宿題はありません。みんな短い夏を謳歌するように、たくさん遊びます。子供同士だけで遊ぶのではなく、親が同伴するので、夏休みは少し大変です。しかし、その反面で他の家族と触れ合い、自分も子供の目線で様々な夏の体験ができるのは良いことですね。
ライター はるこ
ロンドン在住2児の母。夫の転勤で渡英し、3才男の子を現地の幼稚園へ通わせながら、1才女の子を育児中。
UZUZU[ウズウズ]で、ロンドンの子育て情報を取材・レポートしています。
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