ロンドンの”イースター”をレポート!習慣や子供のイベント、食べ物を紹介【ロンドンの子育て】

世界の子育て

2019年4月9日 text by:はるこ

ロンドンの”イースター”をレポート!習慣や子供のイベント、食べ物を紹介【ロンドンの子育て】

ロンドンでは春が近づくと、街のショーウィンドウは「卵」や「うさぎ」のモチーフの飾りつけになり、デパートやスーパーマーケットでは「イースターエッグ」と呼ばれるカラフルな卵が売られます。日本ではまだ馴染みの薄いイースター。実は、キリスト教において、とても重要な日なのです!ロンドンで子育て中のライターはるこがイースターの意味や習慣、子供のイベントや食べ物などを紹介します。

イースターとは?

イースターは、日本語訳すると「復活祭」。十字架にかけられて死んだイエス・キリストが三日目に復活したことを記念する日です。クリスマスよりも重要なお祭りと言う人もいます。

日にちは「春分の日の後の、最初の満月の次の日曜日」と決められていて、毎年変動します。2019年のイースターは4月21日。イギリスでは、4月19日から22日がイースターホリデーと呼ばれる4連休になっています。

当日は教会で礼拝が行われ、家族でご馳走を食べたりして、皆イースターを祝うのです!また、イースターの象徴の「卵」「うさぎ」を使ったイベントが開催されます。

「卵」「うさぎ」の意味は?「イースターエッグ」の中身は…!?

さて、イースターのモチーフは「卵」「うさぎ」ですが、は宗教的にはどんな意味があるのでしょう?

卵は、生命のシンボルであり、復活の象徴。うさぎは、多産で知られることから新しい命を表しています。

そして、「イースターエッグ」のほとんどは卵ではなく、チョコレート!頭よりも大きな卵型のチョコや、チョコレートの殻の中にさらにチョコやオモチャが入ったもの、有名メーカーの期間限定卵型チョコなど、実に様々なイースターエッグがお店に並ぶのです。

お部屋を卵やうさぎのデコレーションで飾るのも一般的です。

生卵の中身を抜いて(針をさして中身を出す)、洗い、殻にペインティングしたり、ゆで卵に色を塗ったりして作る家庭もあります。
お店にもデコレーショングッズがたくさん売っています。

イースターの子供の楽しみは、「エッグ・ハント」!

イギリスではイースターの日曜日に、「卵」を使った伝統的なゲームを行います。
ロンドンでは、「エッグ・ハント」をすることが多いです。エッグ・ハントは、庭や部屋などに隠してあるイースターエッグを探すゲームです。うさぎ耳を付けたイースターバニーが隠す役をします。

エッグ・ハントは、自宅の庭や部屋の中で行うこともありますし、イベントに参加する人もいます。イベントは公園や商業施設、博物館や宮殿など、色々な場所で開催されます。エッグと言っても、ほとんどが卵型のチョコレート!子供は大興奮でイースターエッグを探し回るのです。また、地域や家庭によって、お金(£1コインなど)を隠すとこともあるそうですよ。

イギリスのほかの地域では、「エッグ・ロール」というゲームもあります。ゆで卵を丘の上から転がし、それを追いかけて走る。そして、それを持ってまた丘の上まで走るというレースです。途中で卵が割れてしまったら失格らしいです。やり方は地域によって異なるようですが、とても面白い行事ですね!

私の4才の息子の幼稚園でも最終日にエッグ・ハントが行われ、大量のチョコレートを持って帰ってきました。 エッグ・ハントとは別に、子供に大きな卵やウサギの形のチョコレートなどをプレゼントする家庭もあります。イースターの時期は、子供達はたくさんのチョコレートをもらえるので、本当に楽しそうです。

ケンジントン宮殿のイースターイベントに参加

ウィリアム王子とキャサリン妃の自宅であるケンジントン宮殿でもイースターイベントが開催されていました。

ここで実施されていたのは、エッグ・ハントではなく「ゴールデンバニー・ハント」というゲーム。
ルールは宮殿と庭園内に隠された金色のうさぎを見つけるというもの。うさぎがいるポイントには王室に関するクイズがついて解答用紙に記入していきます。

うさぎは、故ダイアナ妃のドレスの隣や豪華絢爛な王の間、有名な庭園など、すごい場所に置かれているんですよ。
大人も一緒に回るだけで観光気分です。王室の宮殿でこんな子供向けのイベントが行われるとは、イギリス王室の懐の深さを感じさせますね。

そして最後には、景品のゴールデンバニーチョコがもらえました!

伝統的な食べ物は、「ホットクロスバンズ」「ラム」など

イースターの日に欠かせないのが「ホットクロスバンズ」と呼ばれる菓子パンです。パンの表面にクロス(十字架)が刻まれています。

ブリオッシュのような甘いパンでとも美味しいですよ。中にドライフルーツが入っていることも。
スーパーマーケットで一年中買えるものですが、十字架の模様になぞらえてイースターの朝食やおやつに食べます。

メインデッシュで一般的なのは「ラムのロースト」です。子羊肉をオーブンで焼き、ミントソースなどをかけていただきます。

なぜ羊料理を食べるのかは、ユダヤ教の行事「過越(すぎごし)」で羊が生け贄とされたことに由来するという説があります。

伝統的な食べ物ですが、全ての家庭が食べるわけでないようです。最近では、エッグベネディクトなど卵を使ったブランチを食べる人もいるとか。

斬新で可愛い「イースター・ケーキ」は卵ケーキ!?

ほかには、「イースター・ケーキ」が有名です。といっても、イースター・ケーキという種類のケーキがある訳ではなく、卵やヒヨコ、うさぎなどがモチーフになったケーキのことです。

チョコレートケーキに小さな卵チョコを大量にデコレーションした「ミニエッグケーキ」やプレッツェルで鳥の巣のようにしたケーキの上に卵チョコを乗せる「ネストケーキ」など。
とてもキュートで食べるのが可哀想になってしまうカップケーキやアイシングクッキーもたくさんあります。

最後に

ロンドンに暮らす人達に「イースターは何をするの?」と尋ねると、「エッグ・ハントをしてチョコを食べる」という答えが多数。

「教会に行ってお祈りする人もいるけど…」「子供にとって、イースターはクレイジーな日。チョコレートが大量に食べられるからね」と言う人も。そんなわけで、子供達にとってイースターはとても楽しい日なのです。

ライター はるこ

ロンドン在住2児の母。夫の転勤で渡英し、3才男の子を現地の幼稚園へ通わせながら、1才女の子を育児中。
UZUZU[ウズウズ]で、ロンドンの子育て情報を取材・レポートしています。

ライター はるこ

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