産後ケアの食事療法も注目!美と健康を意識した「シンガポールの食文化」【シンガポールの子育て】

世界の子育て

2019年5月24日 text by:永原薫

産後ケアの食事療法も注目!美と健康を意識した「シンガポールの食文化」【シンガポールの子育て】

世界各国で子育てしている日本人ライターや現地の方に、現地の子育て事情や、その国ならではの雰囲気を伝えてもらう「世界の子育て」シリーズ。今回はシンガポールにお住まいのKAORUさんに、シンガポールの食について語っていただきました。

シンガポール人の美のヒミツ

年中夏のシンガポール。ママをはじめ、女性達は、ミニ丈のワンピースやショートパンツ、ノースリーブといった開放的なファッションを楽しんでいます。街を見ると、シンガポール人は食べることが大好きにも関わらず、スタイルが良く、開放的なファッションを上手に着こなしているのが分かります。それは、日々の食事からも自身の美と健康を保つものを取り入れているからなのです。

まずレストランで水を頼んだ時に必ず聞かれることは、「 warm water or cold water?(温かい水?冷たい水)」。
気温の高いシンガポールの室内は、冷房がキンキンに効いています。体の冷えは健康に良くないですよね。そこで、水も少し温かめのwarm waterにする? と聞かれるのです。

今回は、シンガポール人の食生活について、ご紹介したいと思います。

薬膳スープで人気! 「Soup Restaurant」

シンガポールでは薬膳スープを提供するお店が多数あります。いつも賑わっている有名店「Soup Restaurant」。こちらではサメの軟骨のコラーゲンスープや、骨まで黒い烏骨鶏、朝鮮人参、ジンジャーなどがゴロゴロ入ったスープなど、日本ではなかなか目にしない、珍しいスープが提供されます。

そして興味深いのはメニューにそれぞれの効能が表記してあること。

Anti-aging【抗老】、Antioxidant【美顔】(抗酸化作用)、Strengthening【強身】など。
これらのスープは、苦味やクセなどもほとんどなく、自然の甘みが感じられ奥深いものです。

実はこういった薬膳スープ、シンガポーリアンは自宅でも日常的に作るようで、スーパーには薬膳スープのセットがズラリと並んでいます。

Soup Restaurantはもともとこのような薬膳スープを扱うことでこの名前で展開されていますが、今、イチオシのメニューは「ジンジャーチキン」。

「海南チキンライス」を取り扱っているお店は、最近東京にも何店舗かあるので、馴染みのある方もいるかもしれません。こちらの、「ジンジャーチキン」は、ライスではなくシャキシャキのレタスに、フワフワのジューシーチキンとジンジャーソースを巻いて食べるのが特徴です。

この、ジンジャーソースが、絶品!
世界各国を飛び回るCAさんもシンガポールで買いたい食材リストに入れているという、有名なソースです。

体を温める効果の生姜を日常的にたっぷり取る習慣のあるシンガポールならでは。Soup Restrauntのジンジャーソースは、シンガポールではmust buy!です。

シンガポールの産後ケアとは?

私はシンガポールで出産したのですが、共働きが一般的なシンガポールでは、産後の体をとにかく早く回復させ、シンガポーリアンママに早期社会復帰できるような体づくりを第一に考える文化があります。

シンガポールでは、産後の体に対し、食事にとにかく気をつけています。それは、ママにも赤ちゃんの体にも優しい食事療法です。

産後直後から1ヶ月くらいまで毎日飲むものと言えば、薬膳茶「ロンガンディー」。病院で毎食提供されました。

ロンガンとは生のものはライチのような半透明の、丸い果物です。乾燥させたドライロンガンはビタミン2やナイアシンが豊富で、血圧を安定させるカリウムも豊富という、とにかく体に良いもの。ドライロンガンとスーパーフルーツとも言われる栄養価の高いクコの実、食物繊維や鉄分豊富なドライデーツなどをグツグツ煮出したお茶がロンガンティーです。

ほのかな甘みで私も入院中からとても気に入ってしまい、材料もこちらでは簡単に手に入るものばかりなので自宅でも作っていました。

そのほか、体を温め母乳が出やすくなるような、スープ(烏骨鶏スープ、冬瓜スープ、にんにくたっぷりの肉骨茶(バクテー))が毎食出るなど、充実していました。

逆に、南国の果物(マンゴーやパパイヤ、パイナップルなど)は体を冷やすので、産後1ヶ月は食しませんでした。

シンガポール料理にかかせないココナッツ

日本でも流行っているココナッツウォーター。ミネラル分が多くむくみ防止にもなるもの。ハリウッド女優達にも人気というのは皆さんも記憶に新しいのでは?

シンガポールではこのココナッツ、スーパーで丸ごと実が売られていたり、レストランでも必ずメニューにあるものです。暑さで水分が失われがちな時にココナッツウォーターはうってつけの自然のスポーツドリンクと言えそうです。

ウォーターだけでなくココナッツミルクもシンガポール人にとって身近な食べ物。シンガポールフードのラクサというヌードルのスープにはココナッツミルクがベースとなっています。

シンガポール人の定番朝メニュー

シンガポールは外食文化が根付いています。三食を家庭で作るということはしません。そこで、朝食もサクッと外で食べて出勤するというスタイルが一般的です。

シンガポールの朝食メニューの代表といえば、まずは「カヤトースト」。
薄い8枚切りくらいのトーストに温泉卵とココナッツミルクとパンダンリーフという葉で作られるジャム「カヤジャム」を付けて食べるもの。カヤジャムの味は、ウグイスあんのような甘みのあるジャムです。
特に有名なのは、「Ya kun Kaya Toast ヤクン カヤトースト」とシンガポール1の老舗ホテル「Raffles Hotel」で販売されているカヤジャム。この2大カヤジャムが、とても味がよいと人気です。

「肉骨茶バクテー」も朝食の定番メニュー。
漢方茶とにんにくゴロゴロ、ブラックペッパーで作られるスープに、骨つき豚のスペアリブをグツグツ煮込んだもの。お肉も柔らかいので、子どもでも食べやすい料理です。

朝から屋台のようなお店で熱々のにんにく入りスープを飲みながら食べる肉骨茶は、1日の始まりにぴったりな元気の源の食事!

行列ができるほどの有名店は「Song Fa Bak Kut The ソンファ バクテー」。地元の人から旅行者まで、多くの人が朝から並んでいます。

スープは何倍でもおかわり自由。お店の人がやかんに入ったスープをどんどんと注ぎ足してくれます。
私の3歳の息子も、スペアリブの骨を手で持ち、むしゃぶりつきながら、スープに麺を入れ、ラーメンのように食べていました。
ベビーチェアも完備されているので、子連れでも気軽に入れる人気店です。

番外編 ~子連れでちょっと優雅に~

子連れでもシンガポールフードを優雅なホテルで食べたいという方にぴったりなところと言えば、シャングリ・ラ ホテルシンガポールの「The Lobby Lounge」。こちらでは、ローカルブュッフェランチを提供しています。

チキンライス・肉骨茶・ラクサなどローカルフードをメインに、前菜とデザートはプラナカン料理とデザートをビュッフェ形式で食べられます。

プラナカンというのは、15世紀半ば頃に現在のマレーシアを中心に根付いた中華系移民のことを言い、独特の色彩鮮やかな食器や家、衣服の文化があります。そのプラナカン様式の素敵な食器でお料理を提供しているので、見た目もとても華やかで楽しめます。まさにインスタ映え!

広々としたところなので、子連れでもゆっくり過ごせます。


健康を意識した料理は、ローカルフードの材料を見ると納得のものですね!
是非、シンガポールで様々なローカル料理と、お店の雰囲気を楽しんでみて下さい。

KAORU シンガポール在住4年、一児の母。 渡星前は、メイクアップアーティストとして活動。大学卒業後、撮影現場にて、大手広告、ポスター、CMに携わる。 シンガポールで妊娠出産し、現在3歳の息子を子育て中。 子育てママとしての新たなステージに立ち、シンガポールにてメイクアップ活動を再開。 ライフステージの変わる女性へ、美とマインドのサポートを提供中。

KAORU

この記事をシェアしよう!

関連記事