タイ・バンコクの教育の魅力【タイの子育て】

世界の子育て

2019年2月5日 text by:田村篤

タイ・バンコクの教育の魅力【タイの子育て】

世界各国で子育てしている日本人ライターや現地の方に、現地の子育て事情や、その国ならではの雰囲気を伝えてもらう「世界の子育て」シリーズ。今回はタイ国バンコクにお住まいの田村さんに、バンコクの教育環境やその魅力について語っていただきました。

日本人の妻と5歳の娘と共に、バンコク都内スクムビットエリアで暮らしています。
現在40歳の私ですが、24歳でタイに移住してから16年の間に、結婚、出産、子育て、現地採用、独立、起業を経験しています。今回は、娘の子育てを通して感じたタイについてお話ししたいと思います。

教育環境の選択肢が多いバンコク

バンコクでの子育ての魅力は、大きく2つ。
ひとつは、教育環境の選択肢が多いこと。英語・タイ語のバイリンガル保育園・幼稚園、インターナショナルスクール、日本人学校、英語で学ぶ習い事スクールなど、「言語」と「教育内容」の組み合わせは無限大です。子ども達に様々な環境での教育を受けさせることが可能です。

もうひとつの魅力は、タイという国が、子どもを大切にする社会であること。高齢者が電車内で子連れに席を譲る、サラリーマンがベビーカーの移動を手伝う、子連れ家族が優先レーンに通される空港のパスポートコントロールなど、ごく当たり前の風景。当然、タイの人たちは子どもにかける教育費の割合も高いです。タイの急速な経済発展の背景には、子どもを大切にする社会であることが大いに寄与していると感じます。

タイ人にとっての教育環境は、収入・家庭環境によって千差万別です。私立・国立の有名大学付属幼稚園・小・中・高校でステータスと学力を高め、欧米の大学へ留学というのが、富裕層の子女によくみられる王道ルートです。ここ10年ほどは、韓国や中国、日本などアジアへの留学も増加傾向にあります。

外国人(とくに日本人)にとって教育環境でもっとも大きな違いは、「本国(日本)の行政支援」が及ばないこと。当たり前ですが、タイは日本国外です。そのため、地域の公立校に通えば授業料がタダ、とはいきません。基本的に教育は100%保護者の自己負担です。

日本の学習指導要領に準じたバンコク日本人学校も、法人格上はタイ国教育省管轄下の学校です。小学部初年度の入学金が約50万円、3学期分の学費が約50万円(バンコク日本人学校HPより)。そのほかにバス通学費等が別途かかります。

タイに赴任した日本人子女の学力は、総じて高めの水準と言っていいようです。本帰国後に有名私立中高の受験を勝ち抜き、早慶東大へ行く子も少なくない。またインターナショナルスクールから、ハーバードやオックスフォードなど世界のトップクラスの大学に合格する子もいます。おそらく日本で中学、高校を過ごすよりは、広い視野で将来を考えられる環境なのかもしれません。

子どもの未来のために親ができること

私たちは日本人同士の夫婦なので、子どもも「日本語」と「日本的価値観」をベースにすることが、家族として大切だと考えています。家庭のコミュニーケーションが不安定にならず、学力向上にも一番効率が良いと考えています。本人の希望と家計次第で、小学校4年生ごろからインターナショナルスクールへの編入も選択肢に入れています。急激なビジネス環境の変化を日々感じているので、娘の成人する約15年後の未来にどんな人材が求められるのか、正直まったく予想ができません。だからこそ、選択肢の多い人生を送れる環境をつくってあげたいと思っています。

子どもを大切にする社会、教育環境が充実と、タイで子どもを育てることには魅力が多いと思います。ただ、悩みの種はやはり教育費。タイで教育を受けさせると、日本で幼稚園から大学まですべて公立に通った場合の2倍以上の教育費が必要です。それでも、より良い教育環境を整えるのが親の務めであり願いだと思います。

我が家では、来年度、小学生になる娘の進学先を、タイ現地の日本人学校にすべきか、または現地インター校などにすべきか、はたまた帰国して日本の小学校にすべきかを悩みました。営業先・得意先の日本人赴任者や教育関係者に、ことあるごとに相談したのですが、ケースバイケース過ぎて参考にならず(笑)  結局は、日本語環境を第一条件に、第二に家族が一緒であること、第三に予算を考え、現在、日本人学校への入学が最有力候補です。

子どものため、家族のためにも、ビジネスの成長は欠かせません。 子育てだけでなく、経営事業でも悩ましい2018年を過ごしたので、「経営者としての成長」 がいまの自分の課題です。好きなことで稼ぎ、いつも笑顔で生きていることを子どもに見せることが、家族や自分自身の豊かな人生なんじゃないかと。タイ・バンコクでの家族との生活を充実させるために、私自身もさらに前進していきたいと思っています。

田村篤

妻、長女(5歳)と共にバンコクに在住。
一般社団法人日本活育推進フォーラム代表理事。
海外での子育てを応援するメディア「ニコラボ」ディレクター。
Twitter @tamu_aggs
Web 海外での子育てを応援するメディア「ニコラボ」

田村篤

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