【世界の子育て】タイ・バンコクに暮らすということ

世界の子育て

2019年1月17日 text by:田村篤

【世界の子育て】タイ・バンコクに暮らすということ

世界各国で子育てしている日本人ライターや現地の方に、現地の子育て事情や、その国ならではの雰囲気を伝えてもらう「世界の子育て」シリーズ。今回はタイ国バンコクにお住まいの田村さんに、バンコクの魅力について語っていただきました。

現在、日本人の妻と5歳の娘と共に、タイのバンコクに住んでいます。暮らしているのは、バンコク都内スクムビットエリア。高架鉄道BTSのトンロー駅から徒歩10分のところです。

このエリアにはバンコク在住の日本人が多く住み、近隣には日本食をはじめとしたレストランやカフェなどが点在しています。日本人向けの幼稚園や学習塾、習い事スクール等が集中しているのも特徴です。

新しいものと古いものが混在するバンコク

私は大学時代、「国際ボランティアゼミ」に所属し、そのプログラムで初めてタイを訪れました。

提携先のタイ人大学生も参加し、僻地の学校建設キャンプを体験し、プログラムを通してできたタイ人の友人は100人。タイでの暮らしが身近なものになりました。中学生のころから海外で働くことを考えていたため、2003年よりタイに移住を決意しました。

実は、大学のボランティアゼミに所属するまでは、タイという国がどこにあるのかさえ知らず、興味もありませんでした。タイと台湾の区別がつかなかったほどです。「ボランティアが必要な国=開発途上」、と机上で学ぶ以上のイメージはありませんでした。

ところが実際に来てみると、ボランティア活動を行った僻地とバンコクは雲泥の差。電気すら通っていない山村に比べ、バンコクは、私が生まれ育った長野県佐久市よりもよっぽど都会だったのです。

バンコクは、新しいものと古いものが混在していて、その境界線がとんでもないスピードで変化する街です。目に見える景色だけではなく、住んでいる人の価値観にも新旧が入り混じっていて、その変化にあまり抵抗しません。人それぞれ違っていて当たり前、というかそれは仕方がないことだから、あまり目くじら立てても意味がないよね、というような感じでしょうか。違ったものを受け入れるので、外国人として住んでいてもあまりストレスを感じることはありません。慣れれば、日本よりもストレスフリーで、人生を楽しむゆたかな生活を作るチャンスは多いのではないでしょうか。

仕事も家族も自分も大切にできるタイでの生活

24歳でタイに移住し、現在40歳。
16年間で、結婚、出産、子育て、現地採用、独立、起業を経験し、ライフスタイルはぐるぐる変化しました。友人と楽しい時間を過ごすことが第一だった結婚前は、睡眠時間より仲間と酒を飲むことを優先し、週末に30人くらいでビーチBBQしたりする日々。起業時期と重なった子どもが生まれてすぐの頃は、深夜まで仕事に集中しました。最近は、ゴルフを始めたり、自分のやりたいことをやるべきだと思い始めています。仮に、移住せず日本にいたら、こんなやりたい放題のライフスタイルは無理だっただろうな、としみじみ思います。

現在は家族との時間も大切に、週末はパタヤビーチのリゾートホテルへ家族旅行。ここはぜひ子連れで行きたいおすすめスポットです。バンコクから2時間とアクセスも良いですし、「ビーチが近い」「キッズルームがある」「ウォータースライダーがある」など、子どもの年齢に合わせたホテルの選択肢が多いのもポイントです。

タイは日本人の移住者や観光客も多く、生活しやすい国ですが、子ども連れで外出するときは、迷子や失踪・誘拐のリスクも考えます。タイ人を信用していないとか、バンコクは誘拐が多い危険な場所、という意味では決してなく、外国人としてタイに住んでいる以上、トラブル解決は100%自分で考えざるを得ないので、気持ちの面では必要以上に気を配っています。

居心地の良い子連れでの外食

安全面ともうひとつ気になるのが食事。現代のバンコクは、コストを無視すれば、日本とほぼ同じ食材を手に入れることが可能です。乳幼児を育てるママでも、離乳食を手作りすることも難しくありません。ただ、レトルト食品はバリエーションが限られ現地のものは、味や食感が日本人には合わないものもあります。「さつまいも」など、手に入るものの価格は日本の倍以上だったりと、完全に日本と同じ食育を目指すのは無理があるように思います。

ただ、子連れでの外食環境は日本に比べて圧倒的に恵まれています。子ども好きな店員も多く、親がゆっくり食事できるよう、子どもを見ていてくれることも。バンコクは子どもに優しい国なので、親としてもありがたいですね。

次回のバンコクの子育てでは、教育面についてご紹介したいと思います。

田村篤

妻、長女(5歳)と共にバンコクに在住。
一般社団法人日本活育推進フォーラム代表理事。
海外での子育てを応援するメディア「ニコラボ」ディレクター。
Twitter @tamu_aggs
Web 海外での子育てを応援するメディア「ニコラボ」

田村篤

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